【医師監修】夜と昼で視力が変わる?夜間視力を理解しよう。おすすめの夜用メガネも紹介

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【医師監修】夜と昼で視力が変わる?夜間視力を理解しよう。おすすめの夜用メガネも紹介
信号など、昼間は普通に見えていたものが夜間になると見えづらくなることがあります。目の見え方には周囲の明るさが影響していて、特に暗い場所における見え方を数値化したものが夜間視力です。この記事では、昼間と夜間で視力が変化する仕組みや対策、夜間視力をサポートするアイウェアを紹介します。

日本眼科学会 眼科専門医 窪谷日奈子先生

2002年 高知医科大学医学部 卒業
2002年 神戸大学医学部附属病院 勤務
2003年 神戸海星病院眼科 勤務
2008年 城陽江尻病院眼科 勤務
2012年 あさぎり病院眼科 勤務
現在同病院 眼科部長

夜間視力について知ろう

「昼間見えていたものが夜になるとはっきり見えなくなる」といったように、暗い場所で見えにくさを感じるのは夜間視力によるものであり、人間の目のメカニズムや年齢が関係しています。まずは夜間視力の定義やメカニズムなどを紹介します。

夜間視力とは

暗所でものが見えにくいと感じたことはありませんか?こうした見え方の変化を夜間視力と呼び、昼間より視力が低下するケースが一般的。矯正視力1.0程度のメガネの場合は、夜間視力が0.8程度になると言われています。

ただし、夜間視力の数値や通常の視力との差は人によって異なり、ほとんど変化しない人もいるようです。

夜間視力のメカニズム

暗い所だと視力が弱くなる原因は、人間の目の仕組みが関係しています。人間の目は、周りの明るさに反応して瞳孔の開き方を調整し、取り込む光の量を調節するのが特徴です。明るい場所では取り込む光量を抑えるために瞳孔の開きが小さくなり、反対に暗い場所では少しでも多く光を取り込むために瞳孔の開きが大きくなります。

瞳孔の開き方の差は、乱反射の発生度合いに影響を及ぼします。人間の目はピントを合わせるためのレンズ(水晶体)がありますが、白内障が出始める60代以降になるとレンズに濁りが出るため乱反射を起こしやすくなります。明所では瞳孔の開きが小さくなるため乱反射が起きにくいですが、暗所では瞳孔の開きが大きくなるため水晶体による乱反射が起きやすくなります。乱反射が起こるほどものが見えづらくなるので、結果的に暗い場所では視力が低下すると考えられます。レンズの濁りは紫外線や飲み薬の影響で若い方にも出ることがあり、必ずしも高齢者の問題ではありません。

夜間視力と年齢の関係

夜間視力は、運転者講習でよく聞かれる言葉です。講習では、ヘッドライトを早めに操作することや、ライト照射エリア内に停止できる速度で走行することなどをすすめています。

老化は、視力が低下する原因の1つです。自動車安全運転センターの報告によれば、75歳以上において年齢による静止視力の差はほとんどありません。しかし、夜間視力は80歳以上と80歳以下とでは差があり、高齢になるほど低下する傾向があります。このことから、夜間視力と年齢には密接な関係があるとわかるでしょう。現在、高齢者の運転講習では夜間視力の検査も必須とされています。

ちなみに、高齢者ドライバー講習における夜間視力検査では、明所から暗所に移動した時に暗所でも見えるようになるまでの時間を計測する暗順応検査を行うのが基本です。

夜盲症との違い

夜間視力の「暗所で見えにくい」という状態と症状が共通している病気に、夜盲症(やもうしょう)があります。夜間視力は人間の目の仕組みによるものなのに対し、夜盲症は目の障害や病気が原因。鳥目とも呼ばれ、夜間視力よりも暗所での見えづらさが顕著に表れるのが特徴です。

人間の目は、明るい場所から暗い場所に行った直後は見えづらい状態が続き、しばらくすると順応して周囲がしっかりと見えるようになる、暗順応という反応を起こします。夜盲症は、なんらかの障害により暗順応が適切に動作せず、暗い場所でものが見えない状態が続く病気です。ビタミン欠乏が原因でおこる夜盲症はビタミンの内服で改善することもありますが、内服で改善しない場合は、通常のサングラスとは異なる遮光メガネを使用して対策します。

暗所で異常なほど見えにくい、対策を実践しても効果がないと感じる場合は、ただちに医療機関を受診しましょう。

夜間視力の対策法

瞳孔の変化は、人間の目が暗所でも光を取り込んで視界を確保するために起こり、それに伴って発生する視力の低下が夜間視力です。夜間視力に関する詳細な検査は眼科で行っているので、気になる人は受診してみてください。ここでは、自分ですぐ行える夜間視力の対策法を紹介します。

対策①カラーレンズのメガネを使う

夜間は照明によって眩しさが増し、より見えづらくなる場合があります。そこで便利なのが色のついたレンズです。例えば、夜間運転中に対向車が発するヘッドライトの眩しさを軽減し、視界を確保する効果が期待できます。

レンズにはさまざまな色がありますが、特にイエロー系のカラーレンズが夜間の運転に向いているでしょう。車のヘッドライトには主にブルー系が用いられており、イエローはブルーカラーをカットする働きがあると考えられているからです。

カラーレンズを選ぶ時は濃度がポイント。10%や15%程度の薄い濃度のレンズが適していて、ほぼ透明に近い色味なので日常的に使いやすいです。濃度が25%以上だと、運転などの活動時に十分な光を取り込めず、暗く感じることがあります。

独特な形のフレームやレンズが多いサングラスと異なり、カラーレンズはメガネと同じ形なので普段使いにもおすすめです。度入りのレンズであれば、かけ直す必要もありません。

対策②夜間用サングラスを使う

日差しを遮るために使われることの多いサングラスですが、夜間の使用に適したものもあります。サングラスは、物理的に光を遮るために目元まで覆える大きさやカーブを採用しているのが特徴。視界を広くカバーできるため、夜間運転や夜釣り、夜のランニングなど、より活動的なシーンにおすすめです。

サングラスは通常、カラーレンズより色の濃いものが多いですが、夜間用のサングラスを選ぶ時にも濃度に気を付けてください。色が濃すぎると必要な光を取り込めず、視界が暗くなって危険な状態に陥ります。

なお、運転で使用するサングラスには日本工業規格(JIS)による規定があるため注意しましょう。視感透過率8%以下のレンズは、路上や運転で使用できません。また、夜間もしくは薄暮時に視感透過率75%未満のレンズを路上や運転で使うことも禁じられています。

夜間の視力低下をサポートする夜間用アイウェア

夜間視力を補正するためには、夜間用アイウェアを取り入れるのがおすすめです。そこで、最後にメガネのアイガンで購入できる夜間用サングラスやカラーレンズを紹介します。度入りレンズにも変更できるので、視力が弱い人も快適に活用できるでしょう。

WITH DRIVE2 WD2-3002

昼夜兼用で使用できるサングラスです。レンズの濃度が薄く色味がナチュラルなので、普段使いにも適しています。光の取り込み度合いを示す可視光線透過率が84.7%と高く、雑光を取り除きつつ暗い場所でも必要な光量をしっかり取り込みます。

さらにUVカット機能も備えており、目に有害とされる紫外線のカット率は99.9%。レンズには特殊遮光素材を採用し、十分な明るさの確保と眩しさ軽減の両方を叶えます。

価格:11,000円(税込)

WITH DRIVE NEO 4001

眩しさを最大限に軽減し、クリアな視界を維持するアイウェアです。ぎらぎらと眩しいイエローライト、車のヘッドライトに多いブルーライト、さらに紫外線と高エネルギー可視光線の4光線をカットする高機能レンズを採用しています。

86.4%の可視光線透過率を備え、暗い場所で必要な光量を取り込めるのも嬉しいポイント。夜間の運転にしっかり対応できるだけでなく、夜釣りなどの屋外作業の他、PC作業を始めとした屋内作業でも活躍するオールラウンダーです。

価格:13,200円(税込)

夜間視力を理解して便利なアイウェアで快適に過ごそう

人間には、物体を目で見て確認するための機能が自然と備わっています。瞳孔の変化や暗順応、夜間視力もその延長にあるものです。検査を受けて自身の夜間視力を把握しておけば、夜道の運転などに役立つでしょう。自分に適した夜間用アイウェアを選んで、暗い所でも快適なメガネ生活を送ってくださいね。

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