【サウナライターが解説】「ととのい」のススメ

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【サウナライターが解説】「ととのい」のススメ
長時間のリモートワークや、友人となかなか会えない日々。いつもより疲れてしまった体はもちろん、こころまで癒されたい。そんな時におすすめしたいのが「サウナ」。銭湯やスパ施設に行ってサウナを堪能すれば、心も体も晴れて、さらには「ととのう」ことができるらしい。今回は「サウナで”ととのう”って、最近聞くけどなんだろう......?」というあなたを、魅力的なサウナの世界へと誘います!

アズマ ヒロエ(ライター)

サウナをこよなく愛するライター。よく訪れるのは練馬区・久松湯ですが、最近のマイベストサウナは上野・寿湯。旅行先でもおいしいグルメとサウナは欠かせません。TVありの熱めのサウナ室と、バイブラ(お風呂のぶくぶく)がないぬるめの水風呂のループが、最高にととのいます。

癒しと魅力たっぷり「サウナの世界」

日常生活を送っていると、SNSやゲームのためついスマートフォンを触ってしまったり、仕事のメールに気を取られて落ち着かない時間がありますよね......。

しかし銭湯にいる間はその煩わしさから解き放たれます。コロナ禍でなかなか銭湯に訪れるのが難しくなってしまいましたが、最近は個室タイプや人数制限を設けたサウナも登場し、サウナ界隈はますます熱さを見せています!

サウナ室では黙々と自分に向き合い、水風呂に入った瞬間は頭がすっきり、熱さから解放。休憩のために外で空気を吸った瞬間には開放感に全身が包まれる......気持ちがいい......。おっと、決して怪しい宗教の話をしているわけではありませんよ!(笑)

そう、サウナには身も心もリラックスさせる素敵な魅力がたくさん詰まっているのです

「ととのう」ってなんだろう?

サウナでととのう」という言葉、テレビや雑誌でよく目にしませんか?

私たちサウナをこよなく愛する「サウナー」も、「ととのうって、なに?」と聞かれるとなかなか説明が難しい。それでも言語化していくと、リラックスして頭が軽くなったり、思考がシャキッ!とクリアになったり、もやもや〜っと脳がディープリラックスしていることをトランス状態のようなものに例える人もいます。仕事で煮詰まった時にサウナに行くと、アイデアが浮かぶという方も。

不思議な現象「ととのう」。
これは一種のンナーズハイのような状況とも言われています。脳の快楽物質「血中βエンドルフィン」が上昇しているとの報告や、幸せホルモンと呼ばれる「オキシトシン」の数値が大きく変動するなどの研究結果もみられているようです。

「ととのう」入浴方法

「ととのう」ためには入浴方法にもコツがあります。一般的には【サウナ→水風呂→外気浴(外での休憩)】を1セットとし、これを【3回】繰り返すのがおすすめです。

銭湯によって、また男湯と女湯によってサウナ室の温度は異なるので入浴分数は目安ではありますが、参考までに私のローテーションをご紹介。

①じっくり体を温め、己に向き合う「サウナ」

サウナ室の温度にもよりますが、80〜90度程度のサウナの場合は7分前後。(100度ほどの温度が高いサウナ室の場合は無理はせず5分ほどゆったり入ります。)

熱いサウナ室に長時間いるのは辛く大変なイメージですが、じんわりと汗をかき「もう限界かも......!」となった後、サウナ室を出た瞬間を想像してください!
すんとした涼しい空気、サウナ室近くにある水風呂の冷気を感じ、息を吸った瞬間にと冷えた空気が体を通り抜ける瞬間の爽快感。これが心地よくてたまりません。辛くなったらそれを想像して、汗をかいていきましょう。(もちろん無理は禁物ですよ!)

②頭はしゃっきりクリアに。身体がゆるりとほぐれる「水風呂」

サウナ室を出て汗をシャワーで流したら、今度は思い切って水風呂に浸かります。
20度程度のぬるめの水風呂の場合1分ぐらいじんわりと。15度以下の低い水風呂の場合は、さっと出ることもあります。

サウナを勧めた時、「水風呂に入るのが苦手.....」という言葉を聞くことが多いです。たしかに冷たい水の中に全身を預けるというのはなかなか怖いですし、寒さを想像するとイヤになってしまいますよね......。
そんな方は体の中央・心臓あたりを腕で包み込むようにして、足からゆっくりと水風呂に入ることを意識してください。それまで熱いサウナ室に包まれていた体を、急に水風呂に投げ込むのは心臓に大きな負担がかかってしまいます。ですので、まずは大切なところを守り、そしてゆっくり水風呂に体を慣らしていくのがコツ

そして肩まで浸かった段階で、体はじっと動かさないこと。ばたばたと動いてしまうと水の冷たさを感じてしまいますが、安静にしていることで水風呂にいるはずなのに不思議とあたたかく感じるのです......!そして体の外側に薄く水の膜がはったような感覚になります。これに気付ければもうOK。ととのいの世界は直近です。


ちなみに......私は水風呂で”極まって”いた時「まるで羊水みたい......赤ちゃんってこんな気持ちなんだろうなぁ」と口に出し、母から怪訝な目で見られたのを覚えています。それぐらい、慣れると水風呂はリラックスできる場所なのです!(笑)。

③繰り返すほどに極楽がやってくる「外気浴(休憩)」

体の水気をさっとタオルで拭いて、露天風呂のある外へ出ましょう。休憩用のイスにすわってリラックスタイム。外気浴スペースのない銭湯の場合は、室内でも構いません。

水風呂からあがり心臓がどくどくと脈打つ感覚があるかと思いますが、落ち着くまでくつろぎます。4〜6分程度。すっきりとした風を呼吸で感じながら、ボーッとするこの時間が大切。深いリラックス状態へと突入し、頭がじんわりと溶けていくような感覚があります。

はじめの外気浴は「風が気持良いな」とくつろぎを感じます。そして2セット目。サウナ室と水風呂で、頭の中はよりクリアに、身体もほぐれてくるでしょう。そこから迎える2回目の外気浴は、おそらく1回目のそれよりも深いリラックスを感じると思います。深いことは考えず、外の雑音も遠くに。「瞑想」のようなイメージに近いかもしれません。サウナ室と水風呂の往復で、心臓がポンプのように働き血が巡り、そこに外の空気が流れ込んでいく。ふわふわとした感覚で気持ちがいい......。このディープリラックスの状態になり「おっ、ととのってきたなあ」と感じる瞬間がなんともたまらないのです!

外気浴を終えた後はふたたびサウナ室に戻りますが、その際は、水分補給を忘れずに!
体調が悪い場合は無理をせず、自分の好みや体調に合わせて過ごしてくださいね。

快適にサウナを過ごすためのおすすめグッズ

さて、どうでしょう。サウナに行ってみたくなりましたか?サウナは頭で理解するものではなく、体験するもの。
そんなサウナを実際に楽しむために持っていくといいものをピックアップしてみました。ぜひ、参考にしてみてくださいね。

サウナマット

サウナ室には汗とり用のタオルマットが敷いてあることも多いですが、衛生対策が気になる時期です。自分用のサウナマットを持っていくのもよいでしょう。
小さなレジャーシートのようなものから、タオル地のものなど、下に敷けるものならなんでも構いません。(私は小ぶりなバスマットをサウナマット代りに使用しています!)

サウナハット

熱い空気は上にのぼるもの。長時間サウナ室にいると、頭や髪がうんと熱くなります。それを予防するのがサウナハット。銭湯ではなかなかみることはないかもしれませんが、100%ウールフェルトでできたサウナハットは熱伝導率が低く、頭をしっかりと守ってくれます。
お持ちでなければ手拭いやタオルなどをしっかり頭に巻いてあげるのでも問題ありません。

サウナ用メガネ

「私はコンタクトレンズなので大丈夫」と思っている方、要注意です!うるおいが重要なソフトコンタクトレンズにとって、高温・乾燥のドライサウナは大敵。長時間サウナ室にいることにより、レンズは急速に乾燥し、外れやすくなってしまったり、眼球にはりついて取れなくなってしまうことも。剥がす瞬間に破けてしまうと、とっても危険です。
そんな時には、サウナ専用の曇らないメガネがおすすめ。愛眼オリジナル「FORゆ」は、熱と曇り、衝撃に強いおふろ専用のメガネ。目が悪い人でも安心して、そして快適にサウナを楽しむことができるアイテムです。

メガネにとってお風呂やサウナは大敵です。お風呂専用メガネ『FORゆ』なら、掛けたままバスタイムが楽しめます。アイガンFORゆでお風呂やサウナを満喫してください。

お風呂用メガネ アイガンFORゆⅡ(度入り)|愛眼公式オンラインショップ

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ライターおすすめの「ととのうサウナ」

サウナ、行きたくなってきたでしょうか?ととのってみたくなってきたでしょうか......?
そんな方に向けて、私のイチオシの銭湯を4つ選んでみました。(帰りに美味しいご飯が食べられるものポイントです。)

言わずと知れた埼玉県の名サウナ。ゆったりくつろぎスペースもあり、県内最大級とも言われる4万冊のコミック、そして簡易宿泊スペースにおいしいお食事処......。「今日は草加健康センターで過ごすぞ〜!」と、仕事から解き放たれた週末に訪れたいスポットです。
施設が素晴らしいことはもちろん、お風呂充実、サウナも最高なのです。

こちらのサウナで楽しめるのは「ロウリュウ」!
フィンランドに伝わるサウナ入浴法のひとつで、サウナストーンに水をかけて水蒸気を発生させ、高い湿度のサウナが味わえます。通常のドライサウナは、からっと乾燥し皮膚がつっぱるような感じがありますが、ロウリュウを行うことにより、しっとり、たくさんの汗をかくことができるのが気持ちがいい。ぜひ体感してもらいたいサウナです。

こちらのウリはなんといっても「ミニプール」!露天風呂のサイドに広々としたなが〜いプールを模した水風呂があり、なんと”けのび”ができてしまうのです......!なかなか他の銭湯では味わうことができない体験ですね。
さらにアクア東中野はすべて軟水。やわらかな水質で、サウナ帰りに「なんだか今日はお肌がつるんとしてるかも」と感じるのも嬉しいですね。

都会にいながらにして、こんな心地の良い天然温泉に出会えるとは......!と驚いてしまう、居心地抜群でとってもきれいな清水湯。
こちらは「ロキシーサウナ」といって、お肌が乾燥しづらい湿潤サウナ。そして外気浴スペースには横になることができるデッキチェアが設置されています。広い空をぼーっと眺めながらの外気浴は、東京にいることをうっかり忘れるほど心地の良い「ととのい」に導いてくれるかもしれません。

2021年4月26日にオープンしたばかりの文化複合施設「神田ポートビル」内に新しくオープンしたサウナ。90分完全予約制、本場フィンランドのサウナに近づけたというロウリュウも可能な「FOREST SAUNA」や、ゆったり足を伸ばしてくつろぐことができるととのい所「VIHTA MOUNTAIN」、水風呂代わりのまるで冷蔵庫のような空間「ICE SAUNA」など、サウナーにはたまらない空間です。サウナグッズを販売しているコーナーもあるので、要チェックですよ!

くつろいで、ととのって、最高のサウナライフを!

在宅勤務が増え、旅行ができず、ちょっとお疲れ気味なこのごろ。身近にある銭湯に訪れ、サウナを楽しむことで、心と身体をリラックスさせてみてはいかがでしょうか。
ぜひ、職場の近くやおうちの近くにお気に入りのサウナを見つけ、素敵なアイテムを使って、楽しいサウナライフをお過ごしくださいね。

text:アズマヒロエ
Illustration:pum