補聴器4大メーカーの特徴・おすすめ商品は?選び方のポイントも紹介

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補聴器4大メーカーの特徴・おすすめ商品は?選び方のポイントも紹介
聞き取りにくくなった人の声や音を聞きやすくしてくれる補聴器には、どのようなメーカーがあり、どういった機能があるのでしょうか。今回は、補聴器を選ぶときのポイントや、国内外の補聴器メーカーの特徴・代表的な商品を紹介。あわせて、最新補聴器の便利な機能についても解説します。

補聴器の基礎知識と選び方のポイント

補聴器を取り付ける女性

補聴器を取り付ける女性

初めての補聴器を選ぶ際には、どのようなことに気を付ければ良いのでしょうか。ここでは、納得のいく補聴器を選ぶための基礎知識として、補聴器の種類や選ぶときのポイントを紹介します。

補聴器の種類と選ぶときのポイント

補聴器には、耳に引っかけるタイプの「耳かけ型」や耳あなにいれる「耳あな型」、本体にコード付きイヤホンをつないで使用する「ポケット型」などがあります。

補聴器を選ぶときのポイントは主に二つ。
一つは自分の聴力に合った補聴器を選ぶこと。
もう一つのポイントは、生活習慣に合った補聴器を選ぶこと。補聴器が必要なのは、家族との団欒など比較的静かなシーンか、それとも会議や町内の集まり・居酒屋などの騒がしいシーンかで、補聴器に求める機能が異なります。

補聴器は補聴器のエキスパートがいる店を選ぶ

各メーカーから発売されている補聴器にはさまざまな機種があり、機能も異なります。そのなかから生活習慣に合った補聴器を選ぶことは容易ではありません。

自分に合った最適な補聴器を選ぶためには、専門知識のある補聴器のエキスパートや唯一の資格である「認定補聴器技能者」のいる取り扱い店で、適切なアドバイスを受けることが大切です。
また、補聴器を慣らすことができるレンタル期間があり、購入後もお掃除などのメンテナンスをおこなっている店ならばより安心です。

有名補聴器メーカーの特徴と人気の補聴器

補聴器をすすめる女性と選ぶ人

補聴器をすすめる女性と選ぶ人

選ぶときのポイントを押さえたら、さっそく補聴器を探してみましょう。ここでは、国内外の有名な補聴器メーカーとその代表する補聴器を紹介します。どの補聴器にしようか迷ったときの参考にしてみてください。

「シグニア」

ドイツに本社を置くシーメンス社の補聴器部門が前身であるシバントス社。その補聴器ブランドが「シグニア」です。シーメンス時代の1913年に、難聴の従業員と家族に向けた補聴器が開発されて以来、補聴器業界の最先端を行く老舗メーカーの一つで、デジタル化もいち早く手掛けました。

世界約110ヵ国で愛用されているシグニアの補聴器は、騒音下でもナチュラルな音質で聞き取りやすいのが魅力。

シグニアの代表的な商品は「スタイレット コネクト」です。これまでの補聴器のイメージを覆したスタイリッシュなデザインで、2019年にレッド・ドット・デザインの金賞を受賞。リチウムイオン充電池を採用し、フル充電すれば約19時間使えます。また、持ち運びに便利なポータブル充電ケースもあり、約3回充電可能。iOS対応のBluetoothを搭載しており、携帯電話を使った通話や音楽も楽しめます。

「フォナック」

「フォナック」は1947年にスイスで創業した補聴器メーカー。経営母体のソノヴァグループにはユニトロンなどの補聴器メーカーや人工内耳の開発メーカーも含まれており、聴覚ケア分野に力を入れていることがわかります。デジタル補聴器を広く展開し、グループ全体で補聴器の世界シェア1位という実績も持っています。

フォナックの名を知らしめたのは、専用のワイヤレス機器を使った補聴援助システム「ロジャー」。補聴器とロジャーを併用することで、騒音下や話し手と聞き手が離れた状況でも、声や音の聞き取りやすさが改善されます。

フォナックの代表的な商品は「フォナックマーベル」。軽度から重度まで幅広い聴力の人が使える高機能が魅力で、明瞭で豊かな音を実感できます。Bluetooth搭載に加え、専用アプリで補聴器をカスタマイズでき、ロジャーとの併用も可能です。短時間のフル充電で約24時間使えます。

「オーティコン」

「オーティコン」はデンマークに本社を置くメーカー。1904年に創立して以来、補聴器や人工内耳、埋め込み型骨導補聴器などの聴覚ケアに取り組んできました。

オーティコンの補聴器の開発コンセプトは、ブレインヒアリング(「音は脳で聞いている」)です。ブレインヒアリングにより、音を高速で処理することで脳が音を理解しやすくなり、利用者にとって良好な聞き心地が叶います。

オーティコンの代表商品は「オープン」です。脳のリハビリ効果も期待されている補聴器で、ブレインヒアリングを活かして聞くことの負担を従来品よりも約20%軽減しています。聞きたい音とノイズとを区別し、音のバランスを正確かつ迅速に処理。聞きやすい自然な音に調整します。さらに2019年には、ハウリング(「発振現象」である「ピー」や「キーン」などの音)が発生する前に予測して抑える、第2世代モデルのSシリーズも発売され注目を集めています。

「パナソニック」

国産補聴器の代表格「パナソニック」は1959年にポケット型補聴器を発売して以来、音響機器の技術をもとにした使いやすい補聴器を開発してきました。補聴器の直営店は東京、横浜、大阪の3店舗、パナソニック補聴器認定店は国内に950店舗以上もあるため、入手しやすいだけではなく、購入後のアフターフォローにも定評があります。

パナソニックを代表する商品は「R4シリーズ」。充電式の耳かけ型補聴器で、優しい丸みを帯びたデザインは耳に馴染みやすく、2017年にはグッドデザイン賞の金賞を受賞しました。便利な機能が充実しており、フル充電すれば約24時間使用可能。電池の残量が少なくなると音声ガイドで知らせてくれます。目立ちにくいデザインで、テレビにもワイヤレスで繋げられます。また、気密性が高く、水滴やほこりなどに強いので、手入れがしやすいのも魅力です。

ほかにもある、補聴器の便利な機能

補聴器で作ったハート

補聴器で作ったハート

補聴器の開発は目覚ましく、便利な機能のついた補聴器が次々と登場しています。防水機能が付いた補聴器や、使用される方の耳の型で作るオーダーメイド補聴器など、注目の機能やサービスを見てみましょう。

防水の補聴器

耳かけ型の補聴器は汗や湿気に弱いものが多いですが、最近の耳掛け型補聴器の多くは防水処理が施されています。防水補聴器ならば、湿度が高い場所や雨の多い季節でも、湿気を気にすることなく使えるので安心です。

カスタムメイドで自分の耳にぴったりの補聴器

補聴器は既製の形をしたものを微調整しながら使うことがほとんどですが、補聴器のカタチそのものを自分の耳の形に合わせてオーダーメイドできるものもあります。
耳の形を採取して、その耳型を基にシェルと呼ばれる補聴器の外側部分を作ります。そして、その中に必要となるパーツを挿入すれば、世界で一つだけの自分仕様の補聴器が完成します。こういった補聴器は、カスタム補聴器またはオーダーメイド補聴器と呼ばれており、メリットはそのフィット感。安定性があるため使いやすく、取り出し用のテグスをつけるなど、カスタマイズがしやすいのも魅力です。

補聴器メーカーの特徴を知って最適な補聴器を見つけよう

補聴器を装着し笑顔を見せる女性

補聴器を装着し笑顔を見せる女性

補聴器メーカーにはそれぞれ特徴があり、またその製品も個性的です。補聴器を選ぶときは、メーカーごとの強みや持ち味を知って、利用者のライフスタイルに合った補聴器を探しましょう。初めての方や不安がある方は、補聴器の専門知識をもったスタッフがおり、アフターケアのしっかりしている店で購入することをおすすめします。