補聴器の電池交換時期・長く使用するコツは?電池の種類も解説

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補聴器の電池交換時期・長く使用するコツは?電池の種類も解説
補聴器には、酸素を電極材料とする空気電池が使われています。補聴器の電池の種類や使用頻度によっては、1週間程度で電池交換が必要になることも。交換時期を見極め、適切に電池の交換ができると安心です。この記事では、補聴器の電池の種類や長く使用するコツ、交換・処理方法を紹介します。

補聴器の電池とは?

補聴器と空気電池

補聴器と空気電池

補聴器には空気電池が使われていますが、種類は1つではなく補聴器のタイプによって使い分けられています。まずは空気電池とは何か、その種類と使い分けについて解説します。

空気電池とは

空気電池とは、電池のプラス極の電極材料に酸素、マイナス極の電極材料に金属を使用した電池です。金属空気電池や亜鉛空気電池と呼ばれることもあります。

電池の一部にシールが貼られており、剥がすと酸素に触れて放電を開始します。空気中の酸素を使うので、充填の必要がありません。ただし一度シールを剥がせば酸素と接触し続けるため、常に使用状態になります。

空気電池の特徴は小さくて軽い、電圧の変化が少ない、そして大容量であること。補聴器は聞こえ方の安定性が強く求められるので、電圧が安定している空気電池は補聴器に適していると言えます。さらに補聴器は長時間の使用が前提となるため、大容量の空気電池だと安心して使用できます。

補聴器の電池は4種類

一口に補聴器と言っても、備わる機能や本体の大きさ、重さなど、種類は多様です。機種により使用する電池の大きさも変わります。空気電池の種類は4種類あり、これは世界共通です。型番の他、電池に貼られたシールの色で見分けられます。電池の種類とよく使われる補聴器タイプをチェックしましょう。

シール色 型番 用途
青色 675(PR44) 高出力の耳かけタイプなどに使用
オレンジ色 13(PR48) 耳の穴を大きくふさぐフルタイプや耳かけタイプなどに使用
茶色 312(PR41) 耳の穴の入口をふさぐカナルタイプや小型の耳かけタイプなどに使用
黄色 10A(PR536) 耳の穴の奥につけるCICタイプに使用

電池の交換時期

聞こえのサポートをする補聴器は、長時間つける場合が多いです。そのため電池の減りも早く、定期的な交換を必要とします。1日に10時間装着すると仮定した時の、各電池の持ちは以下のとおりです。

青色 約3週間
オレンジ色 10~14日
茶色 5~8日
黄色 3~6日

電池が消耗する期間はあくまでも目安であり、補聴器の種類、使用頻度、使用環境によって変わるため、実際に使用しながら交換の頻度を覚えると良いでしょう。補聴器の使用中に電池が切れ、音が聞こえなくなったら困るため、長く持たせるコツや交換方法、タイミングを把握することが大切です。

補聴器の電池を長く使用するコツ

補聴器をする女性

補聴器をする女性

補聴器は基本的に毎日使うものです。不具合があると生活に支障をきたすため、無駄に消耗させないよう取り扱いましょう。ここでは、補聴器の電池を長持ちさせるコツを紹介します。

シールは使用する直前に剥がす

空気電池は酸素に触れて発電するため、酸素を取り込むための空気孔がついています。空気孔はシールでふさがれており、使用時に剥がす仕様です。

シールを剥がして数十秒経つと電圧が安定し、使用できる状態に。それからは常に酸素に触れて放電状態にあり、少しずつ消耗していきます。電池の無駄な消耗を防止するためには、使用する直前にシールを剥がし、1分ほど空気になじませ電圧が安定してから使用することが大切です。

乾燥に注意する

空気電池は乾燥に弱く、乾燥すると電池の消耗が早くなります。これは、補聴器本体とは真逆の特徴です。補聴器本体は湿気に弱く、乾燥ケースに入れて保管しなければなりません。

そのため、電池と補聴器は別に保管することが望ましいです。電池を補聴器にセットしたまま乾燥ケースに保管することのないように注意してください。

使用時は二酸化炭素を避ける

空気電池の発電には酸素が必要です。しかし、二酸化炭素量が多い場所では酸素量が少なくなるため、電池に負荷がかかり消耗が早まります。具体的には、二酸化炭素を多く排出してしまうストーブのそばや、車の排気ガスが多い場所などが要注意です。こまめに換気を行うと良いでしょう。

低温に注意する

空気電池は気温の低い環境でも消耗が早まります。そのため寒冷地や冬期の使用などでは、電池の交換周期が短くなりやすいです。

補聴器の使用時は体温によって電池の低温状態を回避できますが、保管時には注意が必要です。特に暖房器具をオフにした睡眠の時間帯などは、低温状態にならないよう配慮しましょう。電池は常温(5〜25度)での保管が望ましいです。

電池のショートに注意する

空気電池は硬貨や鍵などの金属と接触すると、ショートする恐れがあります。また汗が補聴器に流れ込み、電池に触れることでショートする場合も。ショートすると電池の発熱や膨張などを引き起こし、最悪の場合使えなくなってしまいます。電池と金属や汗が接触することのないように注意しましょう。

補聴器の電池交換の方法・電池の捨て方

補聴器の電池交換

補聴器の電池交換

最後に、補聴器の電池の交換・処理方法を解説します。補聴器が急に止まり音が聞こえなくなると困るので、タイミングを見極めて交換できるようにすることが大切です。

補聴器の電池の交換方法

補聴器の電池交換の流れは次のような順番です。

1.新しい空気電池のシールを剥がす。
2.補聴器の電池セット部分を静かに開け、使い終わった空気電池を取り外す。
3.新しい空気電池を電池セット部分に真上から入れ、補聴器にセットする。

空気電池はプラス極(電池の平らな方)を上にしてセットします。うまく入らない時は電池を斜めに滑り込ませるようにするとセットしやすいです。

補聴器の電池交換のタイミング

電池の残量が少なくなると、お知らせ音で教えてくれる補聴器もあります。お知らせ音や鳴る周期はメーカーで異なり、電池交換以外の異常を知らせる時などにも鳴ります。使用開始時に補聴器の説明書をしっかりと確認することが大切です。使用中に電池が切れて聞こえ方に支障が出ないように、お知らせ音が鳴ったら交換しましょう。

補聴器用電池チェッカーが便利

電池の残量は見た目では分かりませんが、専用の機械を使えばチェックできます。それが、補聴器用電池チェッカーです。指定箇所に電池をセットすると、電池がまだ使えるか確認できます。小型で持ち運びに便利なタイプや、小型ラジオのような形をしたタイプなどがあります。

補聴器の電池の処理方法

空気電池は捨てる時にも注意すべき点がいくつかあります。まず、乾電池など他の電池と一緒に捨ててはいけません。空気電池を複数個、袋や箱などに入れて捨てるのも避けてください。ぶつかりあった空気電池に電流が流れ、ショートを引き起こす恐れがあるからです。

空気電池は一つずつセロテープでぐるりと囲むよう巻き、電池同士がぶつかることのないようにするのがポイントです。また空気電池はリサイクルでき、補聴器の販売店で回収している場合が多いです。セロテープでのショート防止対策をし、買ったお店に持ちこむと良いでしょう。

補聴器の電池交換時期や長持ちのコツを知って正しく使おう

窓側のソファに座る白髪の女性と若い女性の笑顔

窓側のソファに座る白髪の女性と若い女性の笑顔

早い人で1週間前後の頻度で交換する補聴器の電池。補聴器は基本的に毎日使うもので、補聴器と電池は切っても切り離せない関係です。補聴器とともに電池の正しい取り扱い方法を実践しましょう。出先で電池が切れてしまった時などのために、予備を持ち歩いたり、充電タイプの補聴器も持っていると安心です。