補聴器のプロに聞く!あなたの知らない補聴器の世界

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補聴器のプロに聞く!あなたの知らない補聴器の世界
まだまだ自分には「補聴器」が必要ないと思っていませんか?実は日本国内難聴者の補聴器所有者はわずか14.4%と言われており、海外の平均30-40%を大きく下回っています。補聴器は本当に聞こえない人だけがするもの、自分にはまだ必要ないなど思っている方でも、まずはチェックを受けてご自身の聴力を正しく把握することが重要です。

補聴器のプロを質問攻め!今回話を聞いたのは…

今回取材した補聴器のプロは、「メガネのアイガン」の山本。25年間店頭で補聴器を販売し今までカウンセリングをした数は約2,500件という、メガネのアイガン社内でも4名しかいない補聴器エキスパートです。

補聴器の最新事情や購入までのフロー

そもそも、なぜ難聴になるの?

耳の最も内側にある内耳(ないじ)には有毛細胞という細かい毛が生えていて、その毛の震えが音の伝達を担っているのですが、加齢や生活環境によって有毛細胞が減っていくことで聴力が衰えていきます。

特に、高い周波数の音を伝える役割を担う有毛細胞は音の入り口に近い場所に生えているのですが、あらゆる音に晒されて時間が経つにつれてダメージを受け続けます。そのため、加齢による難聴はまず高い音から聞こえづらくなるのです。

補聴器っていつから装着すべき?

このご質問は多くの方からいただくのですが、私はいつも「ご本人様が着けたいと思ったとき」と伝えています。

もちろん、聴覚の低下度合いに沿った補聴器をつけるべきタイミングはある程度定義されているのですが、そのタイミングを迎えたからといって自動的に「補聴器をつけましょう」とするべきではない。

というのも、本人がつける気がないのに家族が無理矢理補聴器を買っていっても、つけてもらえないことが多いのです。

ですから、ご家族の方ではなく、あくまでもご本人様が聞こえに不便を感じた時に、カウンセリングを受け、補聴器を購入していただくべきだと思います。

補聴器って大きくて目立つというイメージが。実際のサイズはどれくらい?

実は、今の補聴器って耳の穴に隠れてしまうサイズから耳にかけて穴に入れるタイプまで様々なんです。聴力によって、つけるべき補聴器のサイズも変わります。

最新の補聴器には、ここまで目立たないタイプのものが多数あります。

充電器もこのようにスタイリッシュなデザインが多く、ワイヤレスイヤフォンのように持ち歩くこともできますよ。

最新の補聴器って機能がどんどん進化しているのだとか

そうなんです。実はアプリ上で聞こえの調整ができるものや、Bluethoothと連動して音楽を聞いたり電話を受けたりできる補聴器が出てきています。単なる聴力のサポートだけでない多機能な補聴器は、これからもどんどん進化していくと思います。

補聴器のお値段はどれくらい?

補聴器をつける聴力や耳の形に合わせてカスタマイズして作るものであれば片耳で8万円〜。カスタマイズが必要ないものであれば5万円〜です。

以前よりもお求めやすい価格になったことで、補聴器の販売台数は増え続けています。

これからは恐らくカスタマイズが必要なお客様と、カスタマイズ不要なお客様の両極化が進んでいくはずです。

カスタマイズのお客様にも安心してカウンセリングを受けていただけるよう、今、メガネのアイガンでは「認定補聴器技能者」の資格を持つ社員を増やしており、全国におよそ70名の技能者が補聴器のカウンセリングや調整、アフターサービスまでを行なっているんですよ。

自分にあった補聴器はどうやって選ぶべき?

まずは補聴器販売店の店頭に来ていただくことです。メガネのアイガンでは「聞こえの相談会」を定期開催していますので、そのような相談会でも良いと思います。

例えばメガネのアイガンですと、以下のようなフローでお客様と一緒に補聴器を選んでいます。

1)生活習慣を伺う
まずは頻繁に音楽を聴くか、コンサートに行くか(音の響き方が日常生活と違うため)、騒がしい居酒屋で飲むことがあるか、車を運転している時に同乗者と会話をするか(後ろの人とも会話する環境であるため)など、生活習慣をお伺いします。

2)困っていることを伺う
次に、会話の中からご趣味やご家族のことを伺い、その中で難聴が起因するお困りごとや悩みをヒアリングします。例えば、今までに相談を受けた方にはこのようなエピソードがありました。

-家庭菜園が好きでよくイベントに行っていたが、屋外のスピーカーから発される音が聞こえづらくなってしまい、行かなくなってしまった。
-孫に「ラーメン」を食べたいと言われたが、聞き間違って「ソーメン」を作ってしまった。孫をがっかりさせてしまって悲しかったし恥ずかしかった。

3)予算と補聴器を使いたいシーンを伺う
この2点を伺ったうえで、実際の補聴器を試していただきます。

4)補聴器をレンタルしご自宅でお使いいただく
もちろんすぐにご購入いただくことも可能なのですが、メガネのアイガンでは2週間の補聴器のレンタルサービスも提供しています(価格は両耳で3,000円〜)。

5)購入

6)補聴器手帳を使って着け方を改めてチェック
補聴器を購入していただいたら、音の聞こえをお店とご自宅でチェックしていただき、無償で提供する「補聴器手帳」にチェック後の状況を書き込んでいただきます。

7)必要に応じてお店でメンテナンス
ご自宅で何か気になることがあったらお店でメンテナンスを行います。メガネのアイガンでは、何回でもメンテナンスが可能です。

まずは聞こえのチェックを!

加齢による聴力の衰えは誰にでも起こることです。まずはご自身の聴力を知ることが大事。メガネのアイガンでは、いつでも店頭で聞こえに関するご相談を承っています。また、定期的に「聞こえの相談会」というイベントを行なっているので、ぜひお気軽にお立ち寄りくださいね!